去る6月2日〜4日、当山にて五重相伝会が行われました。
五重相伝会とは、浄土宗の教えの神髄、つまりは専修念仏の教えを正しく身につけ、阿弥陀さまのみ光のもと、人間としての正しい生活の基礎を身につけていただき、誤りなく次代へと伝えていくための法会で、当山では昭和49年以来の約四十年ぶりの開筵となりました。昭和の当時と同じく、伝燈師(五重相伝の法燈【正伝法】を伝える璽書伝授の僧侶)に大本山善光寺大本願ご法主鷹司誓玉台下をお迎えし、勧誡師(伝燈師が伝える法燈をより分かりやすく説誡する僧侶)を大本山光明寺ご法主宮林昭彦台下がお勤めになられました。
遠近各地から84名の受者がお集まりになり、全12回の勧誡と要偈道場、密室道場などを通じて法然上人のみ教えを授かりました。
第1日目。佐々木教授師よりお数珠の付け方、お袈裟の掛け方、お十念(南無阿弥陀仏を十回唱えること)のお唱えの仕方等の説明があり、無事にお勤めが出来ますようにと阿弥陀様に御祈願する開白法要が行われ、受者代表と致しまして、中村正親氏と原田晶子氏が任命されました。勧誡では、都市型五重相伝会として視覚に訴える手法が駆使され『厳格な儀式の継承と時代に合った形式』を実践しました。ご法主のお話に加えスクリーンに様々な写真や文字が映し出されました。
剃度式では、各々灌頂(頭の頂きに水を灌ぐこと)とお剃刀を頂戴し、お袈裟とお数珠、度牒(出家得度の証明書)が渡されました。
第2日目。晨朝法要において古田回向師の朗々と読み上げる贈五重と卒塔婆のご回向に、受者のみならず、僧侶も感動していました。父や母、お子様を無くされた方々の悲しみを詠った回向師の和讃は心に響くものであり、式衆の僧侶全員が一霊一霊に礼拝念佛をして受者と共にご供養を致しました。懺悔道場では、今までの自分の罪や穢れを懺悔紙に移し、ご本尊の前で浄焚されました。
第3日目。鷹司ご法主にご来臨賜り、要偈道場が行われました。(口伝の為詳しく書くことが出来ません。あしからず…。)
第4日目。昨日に引き続き、鷹司伝燈師による密室道場が行われました。長いようで短かった五重相伝会もいよいよ最後の行となり、伝巻(譽号戒名をお授けした証)が授与され晴れて成満となりました。
受者の方からは「どれもこれも素晴らしい経験でした。中でも大変真っ暗な本堂が印象的で、少しの明かりを頼りに進んでいくのが心細く、まるで人生そのものでした。お念仏をお唱えするうちに、堂内が明るくなっていったのが今でも心に残っています。」との声を頂戴致しました。
最後の挨拶で住職は「混迷する世の中は当時も今も同じであり、人心の荒廃も同じかもしれません。阿弥陀さまの御恵みをいただき、お念仏を頂戴しながら与えられた寿命を精一杯生かしていく事を喜びとして受け止めて欲しいものであります。今日、こころ託したお念仏を一緒にお唱えしていただいたご縁に、こころから感謝致します。」と述べました。
全員が無事に成満を迎え、仏心の種を手にされたご様子でした。
|
|
|