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今年の夏は殊の外暑さが厳しく、猛暑日が続き熱中症にかかる方も数多くおられたようです。暑さのおかげでビールの売れ行きが上がり、スポーツドリンクは品切れ状態になっていました。「お寺は高台にあるから、風が通って涼しいのではないですか?」と尋ねられますが、酷暑の時は風は熱く、外の埃も一緒に運んでくるので、涼風はなかなか吹いてくれませんでした。ただ今吹いている風は私たちに微かな秋の訪れを感じさせてくれます。
お彼岸を迎えますともう一年の三分の二が過ぎ去ろうとしていることに驚き、諸行無常の響きを感じますが、私たちは年輪を重ねていくにしたがい不安に苛まれるものです。だからこそ安穏たる日々を願うのでありますが、今高齢者の行方不明という問題が起きています。絆を契り交わした親と子でさえその生死すら把握することが出来ず、また探そうともしない。愛別離苦は運命ですし、人生には苦しみがつきまといますが、この苦しみは、逃れようとしてもまた出会うのであります。人には「あれが欲しい こうなりたい」という思いが絶えずつきまとってきますが、それを消そうとすればするほど苦しみは残っていくのであります。大切なことは執着を離れ、安らぎを得て、自分をありのままに見つめ、流れるがごとくの人生を感じることではないでしょうか。浄土宗の根本経典である「阿弥陀経」に、極楽は美しく七宝の池があり功徳水が満ち溢れ、金砂が敷き詰められ、曼荼羅華が雨のように降り注いでいる、と説かれております。この世に極楽を望むべくもありませんが、せめて来世に思いを馳せ、そのために功徳を積み心を乱すことなく歩んでいくことによって、道は開けていくのであります。
心を実らす秋をご満喫下さい。
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