舎利とシャリ

2019/11

 この頃は朝晩と冷える日が多くなり、体調を崩しやすくなる季節となりました。
 皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

 

 今回はお寿司のご飯の部分を指す「シャリ」の語源に関してお話しようと思います。
 お釈迦様のご遺骨のことを舎利(しゃり)、もしくは仏舎利と呼びますが、なぜこれがお米のことを指すかというと、仏教では舎利は土に還ったのち、稲や麦、粟、キビ等の穀類となって人々の助けとなると言われていました。よって穀類はいわば舎利の化身であり、尊ぶべきものとして考えられていました。そこから日本では、一番身近な穀物であるお米を「シャリ」と呼ぶようになったそうです。

 

 お釈迦様のご遺骨である仏舎利は仏教的にも重要なものであったため、仏舎利を巡る争いも発生していたようですが、結果的に八等分され、容器と残った灰を合わせて十箇所の寺院に奉納されました。さらにのちの時代、アショーカ王によって仏舎利が発掘され、おおよそ八万以上の寺院にさらに分けられたようです。仏舎利を納めた塔はそのまま仏舎利塔(またはストゥーパ)と呼ばれますが、この仏舎利塔の形が現在のお寺でも使われている卒塔婆のモデルとなりました。

 

 中国におけるストゥーパでは、インドのストゥーパの前で供養した宝石などを持ち帰り、「仏舎利の代替品」として仏舎利塔に納めるようになりました。また、日本に現存するストゥーパである法隆寺五重塔には供養されたダイヤモンドが納められていたそうです。お米とダイヤモンドを同一視するのは現代では少々無理があるように思えてしまいますが、お米には八百万の神様が宿るとも言われます。

 

 天地の恵み、そしてお釈迦様の功徳に感謝して大切に頂きたいものです。合掌

 
(笠井 裕舜)