春彼岸

令和6年弥生

 春のお彼岸を迎えます。「此岸」から「彼岸」の境地に至るための正しい行いを六波羅蜜(ろくはらみつ)と言います。

 ①布施

 ②持戒

 ③忍辱

 ④精進

 ⑤禅定

 ⑥智慧

の六つの修行を実践しご先祖さまの供養を行うのがお彼岸です。此岸は、苦しみや煩悩など日常の営みや欲望がある世界を指すのに対し、彼岸は浄土や来世を表し、岸を越えることで苦しみや煩悩から解放され、平安で幸せな境地に至るとされています。

 

 お彼岸では、祖先の御霊を供養するだけでなく、一切衆生(すべての生命)が仏果を得て安らかに此岸から彼岸に渡ることを願います。私たちが自己の解脱だけでなく、他者の救済も重視し慈悲深い「自利利他」を積み重ねていくことが功徳となります。

人口構造や価値観の変化により新たな物の見方や捉え方が形成されますが、ご先祖さまからいただいた命を「おかげさま」の心を持って人のために尽くすことが、心豊かに生きていく鍵ではないでしょうか。

 

 お彼岸にあたり「南無阿弥陀仏」とお唱えし、人の痛みを知り、和やかな生活を送り、世界が慈しみの光で照らされますよう願うものであります。