「機嫌」

2019/05

春が訪れ、少々暑すぎる陽気になったかと思えば、冬を思い起こさせるような冷たい雨が続いた4月でした。
皆様におかれましてはいかがお過ごしでしたでしょうか。

さて、今回は日常生活でもよく耳にする「機嫌」についてお話させて頂きたいと思います。
普段から「機嫌をうかがう」「機嫌が悪い」等よく言いますが、仏教語が元となっています。
元来は譏り(そしり)の字が使われ「譏嫌」と書かれていました。

古代インドの時代から、お布施をいただいて命をつなぐ出家者が贅沢をするのは相当にひんしゅくを買う行為でした。
そこで贅沢三昧をせずに仏弟子がしっかりと修行をするために戒律がつくられました。これは「遮戒」と呼ばれます。
戒を保って譏り(そしり)を避ける。そして非難を受けないためにはどのように振舞えばよいか、物事の機(タイミング)を
あらかじめ理解していれば譏りを受けることもないだろうと考えられるようになりました。

その本来の意味から転じて、他人の心をうかがう、安否を気遣うというような意味へ変化していったとされています。


譏りを避けるための「譏嫌」ですが、行き過ぎてただの「ご機嫌取り」にならないよう気を付けたいものですね。

合掌

(笠井 裕舜)