新年に想う

令和3年新年

新しい年を迎えました。

年頭に所感を述べさせていただきたいと思います。所感とは仏教に由来する言葉で「善悪の行為によって引き起こされる果報」という意味、果報とは「前世の行いによって生じる報い 結果」という意味に捉えることができます。

良い運を授かりほんの少しでも幸福になられますように。

 

 今年は、干支でいう辛丑(かのとうし)の年になります。

辛【かのと】とは

「植物が枯れて新しい世代が生まれようとしている」で、

 

丑【うし】は、

「芽が種子の中に生じてまだ伸びていない状態」とのことです。

 

つまり痛みを伴う衰退と新たな息吹が育まれる年と言えるかと思います。このことは不思議と新型コロナ感染症で混沌としている今の状況に当てはまるように思えますが、辛いことが多くあった後に大きな希望が芽生えることを示唆しておりますので、必ずや今年中に感染症が収束し、誰もが安心できる日常に戻れるものと干支が示しているように思われます。

 

 お正月を心身共に清らかに迎えるという心は、時代を超えて伝えられ続けています。何故、正月は一年の中でも「目出度い」のかと申しますと、皆様ご存知で申すまでも無いことでありますが「年取り」の祝いだったからに他なりません。

 かつては、誕生日では無く、年が明けるたびに皆が一斉に年を取る「数え年」でした。人々は新しい年齢となり、一年を生き抜く生命力や幸運を与えてくれる年神さまがいらっしゃるのがお正月といわれておりました。ですから私たちは大掃除や除夜の鐘で煩悩を払い、清々として気持ちで新しい年を迎え、力を与えられて年輪を重ねるのであります。

 

 昨年来、目に見えない不安に苛まれる中で、私自身が当たり前と思っていたことが、実は有難いことであったと再認識しています。触れ合うことが以前とは違い直接出来にくい状況の中で、信じることの大切さや、心を寄せ合うことで勇気や生きる力が与えられることを改めて身にしみて感じております。

 

 京都清水寺の森管主が揮毫された昨年の漢字は「密」でした。三密という言うのは密教の言葉で、意味は

 ・身(しん からだ)

 ・口(く くち)

 ・意(い こころ)

 を整えることが修行で、そのことが悟りに到ると諭されています。小池知事が掲げた密閉・密集・密接の三密は回避しなけなければならないものですが、仏教の三密は実践するものです。身・口・意、行動・言葉・心を整え苦難を乗り越え、喜びを分かち合い、慈しみ、 公に尽くして誇りを持ち、共に生きる一年に致しましょう。

 

 本年の皆さまの無病息災 そして新型コロナ感染症の終息を心からお祈り申し上げ年頭の所感とさせていただきます。

 本年も宜しくお願い致します。南無阿弥陀仏