十日十夜法要という法要の名前を聞きますが、どのようなものですか?

はい。十日十夜法要。俗にいうお十夜法要とは浄土宗独特のもので、古来より旧暦の10月6日より15日までの十日十夜に亘って執り行われたものでした。

お十夜のいわれは、浄土三部経の中の『無量寿経』の中に、「ここにおいて善を修むること十日十夜なれば、他方諸仏の中において王をなすこと千歳になるにまさる」とあるところからきています。つまりこの世では、悪事がはびこっているので、善い行いはすぐに出来るが、極楽浄土では皆が善いことばかりしているので善い行いは出来にくく、この世では十夜で出来ることに、極楽では千年もかかってしまう、ということです。

このあたりでは、鎌倉の浄土宗大本山光明寺が有名です。機会がありましたら、是非お参りしてみてはいかがでしょうか。

光明寺十夜法要会
 光明寺第九世観誉祐崇上人が、後土御門天皇の勅命により明応4年(1495)清涼殿において引声阿弥陀経・引声念仏による法要を勤修したことで、十夜法要をつとめることが許されました。十月十二日より十五日に至る間、盛大に行われています。沿道には植木店や露天など並び、堂の内外は、参拝の人の群れでうずまります。