風の中で調うこころ

令和8年5月

 新緑のまぶしい季節となりました。境内の木々も若葉を広げ、やわらかな風にそっと揺れています。目に映る緑のひとつひとつが、どこか心をほぐしてくれるように感じられます。

 

 4月の花まつりには、多くの皆さまにお参りいただき、ありがとうございました。子どもたちの明るい声や、静かに手を合わせる姿にふれ、あたたかなひとときをご一緒することができました。

 

 5月は、少しほっとする季節であると同時に、知らず知らずのうちに疲れがにじんでくる頃でもあります。忙しさの中で、気持ちが落ち着かないと感じる日もあるかもしれません。そのようなときは、どうぞ無理をなさらず、ほんのひととき立ち止まってみてください。

 お寺は、特別な用事がなくても、どなたでも静かに過ごしていただける場所です。境内の風に身をゆだねながら、そっと手を合わせ、「南無阿弥陀仏」とお念仏申してみてください。声に出しても、心の中でもかまいません。そのひと声が、こわばっていた心をゆるやかにほどいてくれることがあります。

 

 風は吹き、やがておさまり、また静けさが戻ってまいります。私たちの心もまた、そのように移ろいながら、少しずつ落ち着きを取り戻していくのでしょう。

 ただそのひとときが、日々の中にやすらぎをもたらしてくれることを、そっと念じております。南無阿弥陀仏 合掌