盆には一般に精霊棚(しょうりょうだな)と呼ぶものをお仏壇の前に設けて提灯を飾り、ご先祖様や無縁仏様にご供養致します。まずお仏壇の前に適当な大きさの机などを置いて棚と致します。その上に「コモス」(真菰で編んだゴザ)を敷き、「あか水」(蓮の葉に数滴の水を垂らしたもの)や「水の子」(なすをサイノメに細かくきざんで清水で満たした器に洗米と一緒に入れたもの)、「キュウリの馬とナスの牛」(御霊がお越しになるときは馬に乗り速く、お帰りになるときは牛に乗り別れを惜しむようにゆっくりと行かれるという意味を込めたもの)、季節の野菜や果物、また個人の好物だったものを供えるのが一般的です。棚の上方には縄や細い棒を渡し、これにほおづきやコンブ等を吊して「結界(けっかい)」、つまりご先祖の精霊が来られる仕切りを作ります。
この飾り方については地方によってずいぶんと差がありますので一概には言えませんが、スーパーや八百屋さんでセットになって売っているところもありますので、これを利用するのも一つの方法です。なお、精霊棚は特に設けずにお仏壇を利用しても、またコモスが無い場合には白い布などを代用しても差し支えありません。
提灯は御霊へ目印として玄関先や軒先へお飾り下さい。また、玄関先では迎え火を七月十三日の夕方に焚いて御霊を迎え、お盆中ご家族と一緒にお過ごしいただき、七月十五日の夕方に送り火を焚いて極楽浄土へとお帰りいただきます。
以上、一般的な飾りつけをご紹介しましたが、地方によって様々でありますから、ご出身地の昔ながらの方法でお迎えされましても一向に構いません。