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別時念仏会と呑竜文化講座

去る11月4日、当山におきまして別時念仏会と呑竜文化講座が行なわれました。

朝9時受付が始まり、客間にて一日のスケジュールと塗香、触香や礼拝の仕方の説明が行なわれました。香で身を清め、一列に整列し入堂いたしました。本堂では本日の無事と成満を祈る開白法要の前に、副住職による道場洒水が行なわれ、道場の四方をお護りする四天王 持国天王・増長天王・広目天王・多聞天王の前で洒水と散華をし道場を清めました。ご参加の皆様とともにお経を唱え住職より法話がありました。

お話において住職は、大本山知恩寺の福原隆善台下の「ぬくもりにやすらぐ」のお言葉をご紹介いたしました。朝晩冷え込んできて、布団や日差しのぬくもりを感じありがたく思います。心もまた同じで、お念仏をお唱えすることで阿弥陀さまを身近に感じることができ、心は満たされますと説かれました。 

午後から懺悔式が行なわれました。懺悔は「さんげ」と濁らずに読み、キリスト教の「懺悔(ざんげ)」を思い浮かべてしまいますが、若干ニュアンスが違います。

(もともとは仏教語で、キリスト教が伝来したとき、悔い改めるという言葉を訳すときに仏教の「懺悔(さんげ)」が使われたのだそうです。)

キリスト教の懺悔は自らの意識した過ちを悔い改めるものですが、仏教の懺悔は、自らが意識しない過ち、つまりは、生きていく為の人間の業を悔い改めるものであります。受者の皆様には、一人一人に懺悔文に名前を書いていただき浄焚した後、住職より灌頂・剃髪の作法を受け仏弟子として心身共に清め、気持ちも新たに本尊様へ感謝と誓いを込め、礼拝をしていただきました。

(ちなみに礼拝は、正式には五体投地接足作礼といい読んで字の通り、頭、両肘、両膝を地面につけ仏様を仰ぐ礼拝で、スクワットのように体力を使います。)

最後に副住職よりお札とお守りを頂戴し、別時念仏会が終わりました。

続いて、午後2時より天台宗別格本山深大寺御住職の張堂完俊上人をお招きして、呑竜文化講座が行なわれました。

深大寺の境域は清水にめぐまれていることから、昔から水との関わりは深く、深大寺そばはあまりにも有名です。張堂上人はプロジェクター(上人は親しみを込めて「幻灯機(げんとうき)」とおっしゃっていました。)を使いながらユーモアを交ぜ平易に深大寺の縁起についてお話し頂き、また平成29年3月に国宝指定となりました「銅造釈迦如来像(白鳳仏)」についてもお話いただきました。

関東における寺院所有の国宝は鎌倉の大仏と銅造釈迦如来像の2体のみだそうで、国宝に指定された際の経緯、指定の日まで公表してはいけない苦悩など興味深いお話ばかりでした。最後に質疑応答があり、閉講となりました。

朝から一日お疲れ様でした。皆様のまたのご参加を心よりお待ちしております。